中編/原点回帰
十年前、ある国の王はひょんなことで民の信用を失い、隣の大国に国土と民を明け渡すことに。王妃と共に幽閉され、王子と王女は騎士を従えそれぞれ別の国へ亡命した…というのがその事件の顛末。月日が経ち他国の領地となってしまった亡国には既に混乱はなく、交易も盛んで商人が押し寄せる街となっている。そんなこの地に、足を踏み入れる男がいた。
中編/バタバタ
死刑宣告を受けた三人。マリン、ユニア、エーン。
これで死刑になるのはおかしい。現実を受け止めきれずに三人は、葛藤を抱きながら刑務を続ける。そんなある日、主人公の前に謎の紙が現れる。その正体や、いかに。
長編/兎鮫
死にたくない。誰かを助けたい。だから我々人間は戦う。
少女が相対したのは、力も叡智も通用しない怪物だった。勝ち目はほとんど無かった。それでも、悪夢から醒めるために、助けてくれた人のために、この先も生きるために、猛然と立ち向かう。
少女が自分と幼馴染のために奮ったのは、「意志の強さ」だった。
短編/衍字
なぜ俺は生まれたのだろう。
もー、人が生まれたことなんかに理由なんていらないんだよ。
きっと彼女が隣にいたらのんきそうにそう言っただろう。
これは彼女がいなくなってしまった「理由」を探す物語。
だけど、きっと――