ああ、音が 落水の音がするのだ 水しぶきは白くあわだち 流れる水は透明で しかし時間は静かなのだ まるでゼリーのように澄んだ川は ときおり生まれる波紋がなければ 固まっているのではと錯覚するほどに 静かなのだ しかし 川の水は堤防近くになると 水は途端によみがえり 走りはじめる 勢いを増して 宙へと飛びだして 幾束もの しろい糸をひいて 落水の音を立てて 白くしぶきをたてるのだ
岸辺の木が一つ、 また一つと木の葉を落とす
小説創作研究会うぐいす
兵庫県神戸市西区伊川谷有瀬518 神戸学院大学
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